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交通事故 相談の考える過失相殺

交通事故は被害者にも過失がある場合があります

損害賠償額を請求する際に、被害者、加害者双方が相手の過失を主張して揉めることが多々あります。
特に双方が動いていた場合などは、その判断が非常に微妙な場合もあります。
交通事故の過失割合については判例を元にしたケースごとでの過失割合がおおよそ明示されていますので、
原則としてそれらに沿って過失割合を主張していくこととなります。
被害者側では、受け取る損害賠償額が過失割合によって大きく目減りする場合があります。
反対に加害者側では、被害者の過失割合を多くすることで支払う損害賠償額を少なくすることができます。
このように過失割合は最終的な損害賠償額に大きく関係することから、慎重に交渉する必要があります。

被害者の過失分を総額から相殺します

損害額の算出において、最終的な損害額から自身の過失分を相殺されます。
被害者が歩行者、加害者が自動車で、その損害額と慰謝料のトーダルが1000万円、 被害者に30%の過失割合があったとすると、この場合には、1000万円に30%をかけた300万円が過失相殺されるので、
被害者が加害者に請求できるのは、700万円ということになります。
同様に、被害者の過失割合が20%だったときには、過失相殺されるのは200万円で、 請求できるのは800万円、10%のときには、過失相殺されるのは100万円で、請求できるのは900万円となります。

車同士の交通事故の過失相殺は複雑です

歩行者と自動車の交通事故の場合は、総額から被害者の過失割合を差し引くことで過失相殺がなされ、
計算上も単純なものです。

しかし、四輪車同士やバイクと四輸車の事故で、お互いにケガを負い、
また車にも物的な損害が生じた場合は、過失相殺の計算は多少複雑なものとなります。
たとえば、赤信号で交差点を直進してきた車Aと、黄信号で交差点に進入し、
信号が赤に変わってから右折した車Bが衝突した場合、基本の過失割合はA が70%、Bが30%です。
そして、Aには治療費などで500万円、車の修理費などで100万円の損害が生じ、
Bには治療費などで400万円、車の修理費などで50万円の損害が生じたとします。
この場合、 Aの損書総額600万円のうちBが負担するのは30%の180万円、
Bの損害総額450万円のうちAが負担するのは70%の315万円となります。

つまり、実際にはAがBに差し引き135 万円を支払うことになります。
しかしながら、通常は自動車保険(任意保険)に加入されていることがほとんどですので、 ご自身の過失分については保険会社に任せればよく、ご自身の補償部分のみを考えればよいということになります。

損益相殺とは

交通事故の被害者が事故によって利益を受ける場合、
この利益を損害から差し引くことを損益相殺といいます。
損益相殺には、以下のようなものがあります。

①見舞金…加害者からの見舞金は、慰謝料の一部として損害から差し引かれます。
②自賠責保険・労災保険・任意損害保険(傷害保険金、搭乗者傷害保険金を除く)…
 支給額は損害から差し引かれます。
 労災保険は「逸失利益」から差し引かれます。
③遺族扶助料…公的年金の遺族基礎年金や遺族厚生年金は、「逸失利益」から差し引かれます。
④生活費…死亡事故の場合、亡くなった人の生活費は不要になりますので、
 計算した生活費相当額が損害保険料率算出機構から差し引かれます。

*なお、生活保護の医療控除は損害金から差し引かれませんが、賠償金を受け取ったときは、
 役所から扶助の一部返還を求められる場合があります。

過失相殺の対象となる被害者とは

◆善悪の判断能力がポイント
過失相殺を適用して被害者の受けた損害の額を減額するためには、被害者側に過失がなければなりません。
また被害者の全てが過失相殺の対象になるわけではありません。
判例では、「ものごとの善し悪しを判断する事のできる能力」すなわち事理弁識能力があれば、
過失相殺の対象になるとされています。
たとえば、自動車は危険な乗り物なので、道路を横断するときは信号を守り、
自動車の動きに注意を払わなければならない、というような事柄(常識)を理解できる能力です。

加害者側の過失を求めるときは、
「ある事をすれば、自分になんらかの責任を負わされることを認識できる能力(責任能力)」が
必要とされますが、被害者側の場合は、そこまでの能力は必要ないと判断されています。
具体的には、事理弁識能力は小学校低学年程度の年齢になれば備わるとされています。
一方の責任能力は、12歳程度になれば備わる能力といわれています。

◆過失相殺は被害者側に適用される
被害者本人に事理弁識能力がないので、過失相殺が適用されないからといって、
まったく過失が間われないかといえば、そうでないケースがあります。
過失相殺は被害者本人ばかりではなく、「被害者側」にも適用されるからです。
つまり、「身分上、生活上一体をなすとみられる者」家族などの過失があれば、過失相殺は適用されます。 たとえば、幼児を連れて立ち話しをしていた母親が、話しに夢中になって幼児の手を離してしまったために、幼児が道路に飛び出して車にはねられてしまった場合などは、
母親が幼児を監督していなかったとして、被害者側の過失が認められます。

◆被害者側を構成する人とは
「身分上、生活上一体をなす関係」にあるのは、下のような人のことを指します。
① 被害者の配偶者 *内縁関係にあっても同様です。
  逆に婚姻関係が破綻していると認められる場合は含まれません。
② 被害者の父母 
③ 兄弟・姉妹など、被害者のそのほかの親族
④ 被害者の被用者 *仕事上、被害者に雇用されている被用者は、
  使用者と被用者の関係で身分上の一体関係であると認められる場合には含まれます。


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